我々医療者は当然技術をもって医療をしている。
職人も同じく技術を習得して行う。
プロスポーツを行う選手も基本的な技術を磨いている。

医療の現場にはどうしても緊急事態が付きまとう。
所謂アクシデントやトラブルに見舞われたときである。
職人でもプロスポーツでもそんな事態があることもあるだろう。

スポーツ選手において
「いやあー自分でも信じられないほど集中して思った以上の力が出せました」
などのコメントが聞かれる事は珍しいことでもない。

つい以前の緊急手術が行われたときである。いつも部下に通常の手術で注意していたことがあったのだが当然緊急手術になってもその手技はおざなりだった。
彼にとっては鬱陶しいことであろうが私は彼に

「緊急手術においては、絶対普段以上の力は出ない。基本力だけが裏切らない」

(それ以前に普段から緊急手術の術書の章は読破しておかなければいけない。
 いつ事前に読めるであろうか? 以前記したこれがimulationのS)

とかく華やかなプロスポーツ選手のスーパープレー・ファインプレーに我々医療でも憧れがちであるが
我々の世界では地道にバントをしたりヒットでコツコツ塁に出ることが
何よりも大事であることを今もってなお思い知らされる。