はだかで四足で歩き出した。

やがて服を着て、二本足で歩いた。

道すがら荷物を持つ。



やがて荷が重くなり荷車に載せる。

どこまでも続く道に荷車を引っ張り

荷物を積みまた荷を積む。


荷を載せた人々がその荷の多さをうらやむ。

悪い気はしない。

荷車の轍(わだち)は、荷の重さで土にしっかりと刻まれている。


やがて道らしい景色が途絶える。

荒野の広がりに足がすくんだ。

男は今までの轍をじっと見つめる。

後ろを振り返れば道は無くとも荷車の轍が道のあったことの証であることに気づくだろう。

足が前に進めば車輪が動き、道は其の前に自ずとひろがる。

そして

男はいままでの荷をそこにおろし始めた。

執着心は消えた。欲望さえも・・・。

荒野には荷車が置かれ、服が脱ぎ捨てられていた・・・。

男は、はだかでまた歩きだした。