私の靴箱を整理していたら出てくる最近イギリスかぶれして履かなくなったイタリア・フランスの靴たち。フェラガモやグッチ、プラダ、トッズ。
そんななかで改めて格好いいなーと思ったのがビットモカシンブーツ(茶)である。
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ビットモカシンとは、甲の部分に馬具の轡はみ(Horse Bit)を模した金属飾りが付いたスリッポン(ローファー)のことをいう。オリジンはやはりイタリア1921年の創業のGucci。第二次大戦での惨敗からイタリアが漸く立ち直りだした1953年だ。同社のレディスのハンドバッグに付けられだした金属飾りを、メンズでは靴の飾りとして取り入れたのが最初らしい。その後女性靴にもかなり遅れて採用されている。
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当時の著名なハリウッド男優に履いてもらうことを通じ、「大人の男性が履いても、子供っぽく見えないカジュアルローファー」として、同社の大黒柱に。1970年代のニューヨーク中心にアメリカで評価を得た。ある意味その後革製品の1ブランドから服飾品全般のラグジュアリーブランドへと大変貌を遂げたエポックメイキングシューズでもあるのだ。
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第二次大戦前後アメリカの大学生を中心に人気の出だしたローファーをベースに新しいもの好きのアメリカで受けるべくして受けた靴ともとれる。一時人気は衰退したがこのモデルの存続を継続してきた背景は同社のアイデンディティーの象徴だからかもしれない。ビットモカシンが第二次グッチブームであった1992年ごろからいやが追うなくあちこちであふれた。変わり者の僕でも何かに惹かれて、あえてこの古風ともとれるビットシューズをローファーでなくチャッカブーツにあしらったこのシューズを購入したわけなのだ。
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改めて履いてみるとなかなかトラディショナルにして履きやすく暖かい。横からや斜めの視点からも大変流麗なデザインである。ワインも適度に寝かすとおいしくなるが靴も同じであったとは。靴は大切に、永い付き合いである。