2007年9月9日読売新聞一面に踊るPSA集団検診厚生労働省推奨せずという見出し以来、日本ではPSA検診に対してどうしても懐疑的な嫌疑がかけられたままである。
厚生労働省研究班浜島班そして続いた祖父江班は現在も泌尿器学会と平行線を続ける。

大規模なRCTが検証されPSA検診は前立腺がん死亡率をどうやら20%程度さげそうな見解となっている。しかしながらそれでも研究班は検診の侵襲度合いを理由に「薦められない」という。

改めて考えてみると死亡率が10%以上減少が見込まれる検診で侵襲度合いだけに着目してマイナス性を強調されるなら肺がん検診や大腸がん検診はもっと侵襲度合いは強い報道があってしかるべきだ。

5大がんを含めてもっとも発症平均年齢が高いのがこの「前立腺がん」に他ならない。
本来なら平均余命あと15年〜20年残してみつかるがんということになる。
そういうがんに「死亡率」だけを基にして効果を判定するのも変な話でもある。
実際さらに前立腺がん検診ではわが国において80歳以上での検診も少なくない。
検診で80歳以上というのもわが国ならではの文化かもしれない。

よって私は集団PSA検診を何も完全擁護しているわけではない。
薦めるなら「一度はPSA採血を」ということである。
採血だけでも一度しておけばその数値を履歴として残して改めてまた数年後でもよい場合もあるからだ。のべつくまなく80歳以上も毎年PSA測定しましょうというのがおかしいと云っているのである。

誰も骨転移した前立腺がんでの発見はいやなはずだ。これは祖父江研究班に属するだれもがそのはずだ。大事なのはQOLを保護するがんの発見ではないか。またがん発見されない受診者の安全保護も大事な要素だ。いつまでも平行線ではなく歩み寄りも大事なはずだ。これではどこかの国の政治と一緒と揶揄されてもしょうがないだろう。