ba77efbb.gifCBSのラジオ局でオーソン・ウェルズと出会い、『市民ケーン』(1941)の音楽を担当して映画界入りした彼は以後、実験的、幻想的、ダイナミックな作風で知られる。
彼を有名にしたのは言うまでも無くアルフレッド・ヒッチコック監督との名コンビである。『知りすぎていた男』(1956/特別出演も)、『めまい』(1958)、『北北西に進路を取れ』(1959)、『サイコ』(1960)サイコの音楽はサイコロジカルミュージックとしてその後の多くの映画音楽に影響を与えている。

残念なことにヒッチコック氏と仲たがいしてからは映画音楽製作が激減して長いブランクに屈した。しかし皮肉なことにヒッチコック作品でハーマン音楽の素晴らしさを知ったフランソワ・トリュフォー、ブライアン・デ・パルマ、マーティン・スコセッシなどのシネフィルたちがこぞってハーマンに仕事を依頼し、再び活動を開始。1975年の『タクシードライバー』では新境地ムード・ジャジーなスコアが見事に映画を際立たせておりトム・スコットのアルト・サックスが映画全体のブラックスパイシーな雰囲気に甘美に印象を持たせている。

彼の全映画音楽を聴けは現在のあらゆる映画のエッセンスがそこにはあることが判るだろう。英国贔屓である彼は晩年英国で過ごしたといわれる。頑固で屈強でいながら甘美であり切ない作風は今もけして色あせない。