bffe41d6.jpg 私は三枚のアルバムを夏になると聴きたくなる。
Love Deluxe ~ (1992)
Diamond Life ~ (1984)
Lovers Rock ~ (2000)

シャーデー・アデュ。孤高の頂に子供を抱きながら立つ女性。最初の1小節聴くだけですぐに彼女たちの音楽だとわかる独特のスタイル。

 シャーデーとは、シンガーの名前であるだけでなく、彼女とスチュワート・マシューマン(g)、アンドリュー・ヘイル(key)、ポール・スペンサー・デンマン(b)からなるバンドの名前である。≪Diamond Life≫(1984年)にはじまり彼女の孤高なヴォーカルメロディーは精緻なアレンジメント、半音減のコードの素朴さ、穏やかなファンク・リズムに相まって今も成長を続ける。≪Love Deluxe≫は、初期のカクテイルラウンジ・ジャズっぽさをすっぱりと捨て去りほど逞しい。シンプルゆえにアルバムとして聴くには一番バランスが優れているともいえる名盤だ。

"Smooth Operator"、"The Sweetest Taboo"、"Paradise"といった大ヒット曲でのみシャーデーを知る者は、≪Lovers Rock≫の物寂しく骨ばったサウンドに驚かされるだろう。初期の作品を彩っていたスムーズ・ジャズっぽいサックス・ソロは、繊細なアコースティック・ギターに取って代わられ、これまでになく豊かで、成熟し、機敏で、自信に満ちあふれているように聞こえる。

彼女のサウンドスタイルに憧れた女性ヴォーカリストは後を絶たない。然しながらSadeが完熟度を増していく度にその差は埋まるどころか離れるばかりである。
振り返れば誰の追随もない・・・・。サウンドを眼を閉じて聴けば眼の前には光景が広がる、砂漠が広がり遠くには駱駝が歩いている、
時には静かなら波が寄せ合う海が広がり一人ラウンジチェアに横たわり乾いた喉を潤す、
時には暗いクラブフロアに煙草の煙が漂いそこにスポットライトが斜めから差し込む情景が見えることも・・・・・。貴方も瞼を閉じれば貴方の心象風景が広がるはずである。

一糸纏わぬ姿で孤高に頂きに立っている。Sade・・・心に響くサウンドだ。