優勝を決め、感極まった表情のグレーム・マクダウエル。ぺブルビーチのリンクスは、「リンクスの申し子」北アイルランドの男に優しく微笑んだ。まるで往年のイアン・ウーズナムを思い起こさせる骨太なスイング。
リンクス、風の付き合い方を誰よりも自然に、淡々とこなしていたのではないだろうか?
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若き早熟な天才「石川遼」は三日目から本来の無垢なオーラ、輝きが失せていた。三日目の余りにも遅い午後三時半のスタート。恐ろしき観客の声援、熱狂に怯え、そして縮まった。三日目に背筋が曲がり、四日目の前半は腰が前にひけていた。いつもより体が小さく、そして細く見えた。
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タイガー、エルス、ミケルソンの御三家はさすがの横綱ゴルフであったが、優勝にするには杜撰なプレーが目立った。タイガーの4位にはある意味、賞賛を。エルス、ミケルソンには彼らの実績としては「勿体無い」という叱咤を贈りたい。
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アイルランドの男が異国のリンクスで吼えた。まるでアイルランドの旗を携え鎧にまとった騎士のような井出達ではないか。全米の至宝、全米の魂「ぺブルビーチ」は美しくその風に舞うその青い十字の旗を照らす。
第110回全米オープンゴルフ、世界一のゴルフゲームが終焉した。