僕が注目してもはや20年。ヴィンテージ広告はアメリカのライフ誌が有名であるがアメリカ広告はややポップであるため資料としては面白いが芸術性には劣る。そこで注目されてきたのが「フランス広告」である。特にアールデコ時代のフランス広告は眼を見張るものがあり僕もかなり参集して来た。車や時計、文具、香水、お酒、鞄などに名作が多い。
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同じブランドでも全くお国によって違いがある。フランス広告がやはりフランスらしい色が出ているとしたら他の国はどうであろう。特に芸術のイタリアでは?
実際はイタリアのヴィンテージ広告はあまり手に入らない。これはイタリアが古雑誌にあまり敬意を払わずもしかして程度の良いヴィンテージ雑誌がそれほど残ってないのか、ただ単に発掘されていないのか定かではない。
ふと見つけたのがこの1940年製造ロレックスの広告である。
この時代、アメリカでは写真主体、フランスではモノクロイラスト主体であったことを考えると余りにも違いが判る。
どうだろうこのキャメルとブラウンの色価と色配置、色構成、何とも優雅な色合いが出ているのはないだろうか。実際、イタリアにはタイプライターの傑作「オリベッティ」の非常にアート性の優れた広告が有名である。
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たかが印刷ではあるが原画が全く残っていないわけでこの時代のヨーロッパ中心のヴィンテージ広告は後世に残されるべき芸術性の高いものが多い。
特に今後は「イタリア」や「スペイン」にヴィンテージ広告の傑作が埋蔵されている可能性が高く発掘に期待したい。