「"中年クライシス"渦中の私ですが、精神分析のエリクソンによれば、中年が精神の均衡を破綻せず、より成長、発展するには"generativity"(世代継承性)という
課題を克服しなければならないと指摘し」kinderbook通信より

この聞き慣れない英語"generativity"(世代継承性)。出典を紐解くと・・・
Generativity(ジェネラティビティ)とは、エリクソン(E.H.Erikson 1902〜1994)の造語で、
次世代の価値を生み出す行為に積極的にかかわって行くこと

を意味する。その代表的著作「幼児期と社会」の中で、 人間の精神的発達を8段階に分けて鋭く考察したが、その7段階目にあたる状態。人間が初めて、自分だけへの関心から次の世代への関与に移り変わる。

世代継承性はある意味シンプルな行為として「子育て」が挙げられる。最近、若い子育て夫婦が増えているが(これを何ら揶揄しているものではない)エリクソンによればまだアイデンディティー形成中どころかかなり「自分自身」への欲求がまだ高いところのために実際は20代夫婦に「世代継承性」まで行き届いているかは疑問であるがそれは当然の想定内許容範囲であろう。

問題なる我々であるがパタちゃんが我が家に来たことではっとしたことがある。
これなるが僕たちの精神均衡性を保つため、僕たちのアイデンディティーを保護するため"generativity"(世代継承性)を諭されにやってきたのか。ということだ。
もちろん、僕たちの世代は大いに社会、共同体に対しても"generativity"(世代継承性)を重視しなければならないが・・・。


Erik H. Erikson
1902-1994。精神分析学者、臨床医。1902年ドイツにデンマーク系ユダヤ人医師の子として生まれる。大学中退後、画家としての遍歴時代を経て、ウィーンでアンナ・フロイト、ハインツ・ハルトマンに師事し、精神分析の訓練を受ける。1933年アメリカに渡り、ハーヴァード大学研究員を始めとしてイェール大学、カリフォルニア大学バークレー校などで臨床、教育につとめる。1960-70年ハーヴァード大学人間発達講座教授。著書『幼児期と社会』I、II(1977、1980)『ガンディーの真理』III(1973、1974)『歴史のなかのアイデンティティ』(1979)『玩具と理性』(1981)『老年期』(共著、1990)『ライフサイクル、その完結(増補版)』(共著、2001)『青年ルター』I(2002)(以上みすず書房)『アイデンティティ――青年と危機』(金沢文庫、1973)『青年ルター』(教文館、1974)ほか。