3b0a14f0.jpg現代の女性の洋装は以前のヨーロッパの華やかな文化(特にフランス)とは全く違うもので「質素なほど簡素」といえるものだ。以前の女性の帽子は顔が見えないほどツバが大きく華や飾りが踊っていた。洋服は足が見えずデコラティブでありコルセットを巻いたウェストは極限に細くさぞ苦しかったと考えられる。
そんなヨーロッパ女性洋装文化を変えたのが「ココ・シャネル」である。

この当時室内空間もややアールヌーボー影響余韻残るやはりデコラティブな装飾だらけの空間であった。洋装と室内空間ともに「装飾過多」でなければ「納得できず」「何か物足りない」と考えていたらしい。
シャネル以降、女性のファッションは一変した。女性は普通の丸襟にしろ簡素なワンピースも着れるようになり、コルセットも取りはずし、帽子さえも無くした。
それとともに室内空間も「よりシンプルに」「より装飾をはずし」「より簡単な直線や曲線で描ける」インテリアに傾倒してきたように思える。

そういう意味で「服飾」と「室内空間」は切っても切れない関係にあるといえる。
つまり時代の傾向も一致して並行してきたともいえる。
また両者の好みの傾向は面白いほど一致するといっていい。
つまりデコラティブなファッションが好きな方はやはり「装飾過多の空間」に居たがる者だし「シンプル」なファッションが好きな方はやはりシンプルな空間が好きなものなのである。

また面白く興味深いのは現代の多くのファッションブランド創立者はインテリアブランドも持ちたがるものだということだ。
アルマーニのアルマーニカーサしかりFENDIしかり、ラルフローレンしかり、コーチしかり、エルメスしかり、マーガレット・ハウエルしかり最近では何とトム・フォードしかりNYのトッズ・オールダムにいたってはファッションブランドを畳んでインテリアの世界に転身したぐらいだ。
つまり一流のファッションブランドを創立したければ、いずれどの空間に住んでいるひとのファッションかを概念創出しなければならず、そのため室内空間にも自分の息吹をかけたくなるという仕組みなのである。

洋服や持ち物をみれば「どんな室内空間に」住んでいるか想像ができるし部屋をみれば「どんな服装」をしているか想像できるというものだ。ただこれに関してはどちらにしろ無類のセンスをもっていなければならないもの事実。
(無論、どちらも興味が無いとか単にどちらもブランドや知名度で選んでいるひとは論外である。)インテリアコーディネーターに任せきりやスタイリストにゆだねる諸氏ではどちらも共有する我世界を構築するのは難しく歪みがでるものだ。
そういう観点で自分の服装や室内空間を見つめれば現代文化の中の自分の世界位置がどうあるのか理解できて面白いのではないだろうか。