『北北西に進路を取れ』 - North by Northwest (1959)※ この映画の評価を改めていうまでもあるまい。
この年代にして今尚色あせることの無い「娯楽大作」
しかも臨場感あるサスペンス。
ハーマンの映画音楽も素晴らしい。
主役、脇役すべてに申し分の無い配役だ。
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映画はお約束のヒッチコック監督がバスに鼻の差で乗り遅れる愛嬌アルシーンから始まる。映画の中で使われた国連の建物や国定公園など多くの施設で許可が降りず強行で撮影したシーンもある。お約束の女優、ブロンズ女性が眩しい。
許可を取れなかったラシュモア山の歴代大統領への皮肉かアメリカ版広告では写真のように本人登場のものまで作製。監督の気概が感じられる貴重なAdsである。
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この映画はヒッチの最高傑作のひとつであるが「本当にこういう作品を望んでいたのか」は微妙なところである。
なぜなら彼ははこの作品のあと,監督のもう一つの最高峰「サイコ」のモノクロ作風に戻っている。まるで故郷に還るようにだ。恐らく彼は、このような巨額の娯楽大作はどうも好みではないような気がする。(以前、モノクロ時代に「海外特派員」をとっている。この作品を含め今までの「知りすぎていた男」など傑作のオマージュ、集大成として臨んだフシがある。)
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そういうわけでこの映画の後、各地ロケを断行する大娯楽作は終焉。ヒッチとして十分やりつくした感があったに違いない。ヒッチにとってもその後の「進路」を決める作品となったわけである。