ヒッチコックが来日した際に、淀川長治さんが日本料理店へ食事に連れて行ったそうだ。実はヒッチコック氏は膝を其の当時痛めていて座るのがちょっと苦手だったようだ。日本料理はそういう意味で椅子ではなく畳の上に座って食事をするので実は嫌いだったらしい。▼
日本料理自体も彼はそれほど好きではなくわざわざ帝国ホテルから西洋料理を其の場所へ慌てて運ばせたこともある。会話を楽しんだヒッチコックは、慣れない座り方とその体型もあってか、さて行こうかというときに足がしびれてすぐには立てなかったそうだ。
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淀川氏から「なにかプレゼントで欲しいものはないか?」とリクエストされていた。その時に淀川さんに向かって膝をポンと叩くと「僕はジャパニーズが欲しい」。ジャパニーズと膝のknees(ニーズ)を引っかけた洒落だ。おそらく日本人が何時間でも正座して食べるのを見て日本人の膝はさぞかし丈夫で本気で欲しいと思ったのかもしれないが面白い逸話である。
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実はこの逸話には後日談がある。帰国後とあるテレビ番組インタビューでナにやら箱をもって現れたヒッチコック氏。偶然テレビ番組放送を淀川氏は観ていた。
「この箱には何が入っているのですか?」
「おお~、これは日本の映画評論家yodogawaの膝が入っているんだよ。」
「君知らないのか、彼は今頃膝が無くて痛くて痛くて困っているだろう。」と答えたでのである。放送を観ていた淀川氏はびっくりと同時に優しさに感激したそうな。
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またあるとき、会食中に淀川氏が「あんなにスリルある怖いこと、サスペンスな怖いこと いつどうやって考えるんですか?」とヒッチコック氏に訊くと
オーノーという身振りをして隣でフォーク片手に食べる妻を指差しながら
「まさか僕があんな怖いこと考えるわけ無いだろう?シー、妻が全部考えるのさ」
とウインク。稀代の天才は日常でもユーモアある天才なのである。