70歳まで自分が「天皇」であると信じていた精神患者さんが名医の努力で改善。
自分がたんなる「庶民」であることを知った彼は嘆き悲しむ。
高齢になってから本当に必要な治療かどうかユーモアを含む事例としてたびたび紹介される話だ。70歳として期待余命15年。

15年を例えば「タバコ」をやめましょう!「お酒」をやめましょう!と良く医師は口にするが公衆衛生学の権威たちは、
「それがどれほどの長寿に寄与するかはわからない」と口をそろえる。
要するにそのような生活習慣・環境は急に直しても70歳まで毒されていたのでもはや年数にすれば数ヶ月かもしかしたら数日にしか試算として利益がないとされるからだ。しかも人生の楽しみにしていた「酒・たばこ」を奪われた喪失感は大きく、時にマイナスの試算になる場合もある。このような生活指導は凡そ遅くとも50〜60歳代に施されなくては遅いことになるらしい。

実際、70歳以上の数日が減ったところで理論上は「酒・たばこ」がのめない数日が減っただけでそれなら今のうちに「楽しもう」と考えるのはこちらも正しい。
ゆえに、達観した医師たちは現在高齢者に対しては「生活指導」を緩める傾向がある。(糖尿病や腎臓病などは別次元である。)

気にしないといってもさすがに注意したことがある。
「先生焼肉とか食べていいですか?」
「もちろんいいですよ。」
翌日病室回診するとなにやら焼肉くさい。
看護師にきくと
友人を招いてホットプレートで焼肉パーティー開催したらしい。
たしかに食べていいとはいったが「病室」でとはいってないのだが。
もちろん、病院規範には反するがその後その患者さんが数十日でお亡くなりなったことを考えると「良かったかな」とも思える。

栄養管理士など専門職もいるのであまり声を大に云いにくいが
70歳以上の高齢者にはいままでがんばってきたので
「エンジョイしてください」
と声をかけたくなる無精者なのである