父ミフネは母フロッグに話す。
母フロッグ氏は現実主義。
そんな難しい話をしてもあまり理解できていないらしい。
僕はおもちゃをころがしながらも
そんな父が気遣って父の膝に乗る。
父の話を聞きながら。

「関東大震災にしても
 伊勢湾台風にしても
 明応地震にしても
 おこるべくして
 おこるんだよ。
 思ってもみない災害のように
 ニュースで流すんだけど
 そんなこと思うのは 
 人間たちだけだよ。 
 これからも
 地震や津波
 大火災や台風
 もっともっと
 おこるべくして
 おこるんだよ
 だって地球に住んでいるんだからね
 地球はすごい前からこうやって
 呼吸してるんだからね
 地球のいとなみなんだよ、たんなる
 それを人間中心に考えるから
 思ってもみない天変地異に考えるんだね
 地球に住む限り自然災害は
 うけとめていくしかないんだよ。
 そんなことより
 人間がしてはいけないこと
 二大悪は
 それは戦争と環境汚染だね
 地球のいとなみに病原菌をまきちらすようなものだね
 他の動物、植物、生命体にも失礼な行為だよ。
 決して人間中心じゃないからね
 氷河期だっていつかはくるからね
 それでも人間は戦争しようっていうのかね」

母フロッグは聞いているそぶり。
父ミフネはそんなことも判っている様子だ。
僕は父の膝の上が心地よくて
寝てしまった。