4921e9ff.jpg「ラギッドトラッド本当に来てますよね。これはいつまで続くんでしょう?」
「今回のラギッドトラッドは結構骨太なので結構続きますよね。所謂、洒落感だけに頼ってませんからね。支持層が広いんですよ。後、流行り廃りがないですから。こういう不況のときは尚更でしょう。」
「この大きなmovementを作っているのがやはりアパレルではラルフのRRL/rugbyであり、英国のJACKウィルスであり、米国のJクルー。日本のengineered G,他にWoolrich,そしてマスメディアではFREE&EASYの影響なくしては語れません。」
「特にFREE&EASYはいわば、昔の往年のメンズクラブがやっていたことをそっくりそのままやっている。今のメンズクラブがmodeよりに傾いている隙に。これは皮肉なことです。またFREE&EASYはそれだけにとどまらず、スティーブマックウィーンをiconにそれを更に「ラギッド」という味付けスパイスをひと振りしてアレンジしてみせた。
これはもう編集長並びにスタッフたちにもう発明といっても過言ではないでしょう。」
「最近のFREE&EASYの誌面を見ると、ちょっとぶれている感じありませんか?」
「いや〜君もちょっとした隙に「どや顔」を覚えてきたね。そんな言い方、10年早いですよ。」
「まあ君の言いたいこともワカランでもない。特に急成長したここ2〜3年でFREE&EASYも多くのスタッフを入れている。誌面づくりも大きな反響に後押しされ影響されてきている。誰でもちょっとぶれるわいな。」
「つまり自分たちのRUGGEDという概念が知らず知らずに読者の力もあってどんどん膨張していると?」
「そう、元々誌面から派生したRUGGEDという概念は知らぬうちに育って育って一人歩きをしている。いつのまにかFREE&EASY自体も把握できないほどにね。」
「しかしそういう意味では2012年4月号の表紙は最悪ですね。」
「何が?」
「だってアイテムはどれも悪くない。どれもラギッド。モデルはちょっとラギッドではないがね。それは妥協してもiconはどれもラギッドなのに表紙全体の印象は散漫になっている。これはもう先に述べた話の典型。FREE&EASY自体がRUGGEDを追えていない」
「自分ところで派生したのに追いきれていない。」
「失礼な言い方をすれば・・」

「虫酸が走る典型的な表紙になっている。」
「どれどれ・・。うーんそう言われると確かにぼやけているね。メンズクラブの表紙ならともかく、FREE&EASYの表紙としてはどうも骨がない。RUGGEDとは言えないね。」
「よく編集長これでOKしたよね。☑なしとは思えないしね。」
「編集長の巻頭ページの言葉がそれを代弁してるよね。「私は先ずブランド思考を捨てることから始めようと思っている。この場合のブランドとは作家のバリューや旧い年代だったりすることが多い。」なんてね。
つまりRUGGEDを突き詰めれば詰めるほど広告媒体としてブランドを支持しきれなくなる矛盾を潜在的に感じていることの現れなんだよね。」
「まあ編集長は日本の骨董について語っているわけで・・。」
「いやいやあ、あれほどの見識の持ち主だから骨董だけに眼を向けているわけでなくそこから投影される総てを予見して言っているんだよね。」
「RUGGEDな生き方を追求すればするほど、そんな生き方の達人たちはbrandものを必要としていない本物を、さらに本質を見抜く生き方の達人であり、そういう者たちはFREE&EASYなどの媒体さえも必要としないということなのでしょうか」
「そうなってくるよね。それをFREE&EASY自体がうすらうすらと感じ始めているからブレテ来ているんじゃないかと。」
「雑誌が売れすぎているからこそブレテしまう。そんな転換期なのでしょうか。」
「まあそれでもFREE&EASYが或ところまで唯一到達した雑誌だからこそ、こうなってしまうとも言えるわけで、すごい雑誌ではあるわけ。一時のメンズクラブ、一時のBRIO、一時のLEON、皆そうなって峠をすぎて下がっていくわけ。ライフスタイル雑誌とはそういう性があるんだよ。文化の証明みたいなものだから。」