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誰かが
恋愛と結婚の違いを
「見つめ合う」ことから「同じ方向を見る」ことだと云った

また或る詩人が
「結婚とは力が相手にどれぐらい及んでいるのか確認しあう」ことだと云った

僕はそれも一理あるがちょっと別の考えだ

忘れたが何かのシーンでカップルが互いの真っ白なTshirtに
男が女のTshirtへ、女が男のTshirtに好きな画を落書きしていたのを思い出す。

またこれも何かのシーンで4人の家族が大きな大きな家の真っ白な壁に
好きな画を皆で描いているのを思い出す。

僕は前者が恋愛観であり
   後者が結婚観でなかろうか。

恋愛は互いの白いTshirtに落書きし合うようなもの

        互いを見ているのが眼だけではない。

結婚は同じ大きな白い壁へ絵を描くようなもの

        皆で同じ壁を見ているが時に確認し合うことが肝要だ。


この恋愛観は熱情を感じる。
何故なら、まさに自分色に染めることもあるからだ。
相手は相手に色を描き、それを確認することもある。
もう一方の相手はあまり色を描かないこともあるだろう。
これらのカップルが結婚後も執拗に相手のTshirtに描き続けたらどうだろう。
Tshirtの落書きは最早spaceが無くなり、また形を留めず限界を迎えるだろう。
結婚後も相手の自分の力や色がどの程度及んでいるかを見続けるのは
僕はやや間違っている気もするのである。
結婚後、破綻する、離縁するカップルとはそういうものではなかろうか。


 結婚後にその恋愛観からシフトして
    そのTshirtを着たまま、時に脱ぎ捨てて
      同じ大きな白い壁に向かって絵筆を握ったカップル。

家族が一人、そして二人増えて皆で同じ壁に絵筆を握る。

やがて子供が成長して巣立ち、
    そこに一本の絵筆が置かれ
またもう一人の子供が成長して巣立ち、
     また絵筆が置かれる。

夫婦二人でちらっと互いの顔を見て笑う。
       また二人で壁に絵を描き続けた。

やがて子供が結婚して家族を持ち、遊びに来る
        子や孫にも置いていった絵筆を渡す。
    皆でまた描けば賑やかだ。



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