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「cheap chicが再度脚光浴びてますよね?」
「勿論一読しましたよ」
「ソイさんにとってチープシックってどう捉えているんですか」
「それは簡単ですよ、長く愛せるclassic quality(永世定番)を見つける、そこに自分なりの解釈を加えること、複雑になりすぎない、つまりシンプルさを目指せていること、実用性やクリエイティブさ、fashionやトレンドに振り回されない自立性や健康的な体を確立することじゃないですか」
「すっかり『安くていいもの』的に捉えてましたよ、違うんですね」
「元々はそういう捉え方で先行してたんだけど昇華してきましたよね」
「まるでカテリーヌ・ミリネアみたいな教科書的発言ありがとうございます。」
「そして循環の仕方、新たに一枚買うごとに誰かに一枚譲るなどね。高品質で長く持つものとは何か?ファストファッションのなかにもすぐダメになるものもあればそうでないものも、そしてその由来は何か?私はすべてのファストファッションを否定していませんよ。それが植民地的な不当労働から生み出されているのなら着ることはできません。」
「大量生産というのは関係ないのですね」
「そうです。この資本主義形態ではもはや避けようも無いではないですか。ただ買う前に自問自答はしています。安いから買うものではない、良質で長く愛せる自信があって由来がしっかりしているから買うのだと」
「そうまでチープシックにこだわる精神性ってどこから派生するのですか」
「世の中、理解しがたいことや永遠に続かない刹那の連続じゃないですか、勿論それを乗り越えていくことを人生は教えてくれているのですが、せめてfashionという形、楽しみぐらいは健康的でアイデンディティーを作りたいですよね」
「fashionbrandに命令されて服を着る時代はとうに終わっている?」
「昨日、イイトモで西野カナがこれからネイビーが流行するんですよ!って話も含めて要らない話なんでよね」
「チープシックってお洒落として何か一言で言えば」
「まあ、 『賢者のお洒落』って事になるじゃないですか」
「確かにそこに経済的な差も身分的な差も介在出来ませんし自己選択性に委ねられる」
「今から約40年前のconceptですがこの理論は普遍性がありますよね」
「最後にもう一つ言いたいことがあるんだ」
「どうぞ、どうぞ誌面も残り少ないですから手短に」
「こうやってcheap chicのconceptの再脚光や嬉しいんだけど、すぐ皆聞きたがるんですよ、『どうやったら、何を着たらcheap chicなの?』って」
「ありますよね」
「だけどそれをオールデンがいいだの、VANSがいいだの、バルバシーンがいいだのって言い出す事自体可笑しい」
「というと」
「cheap chicってのはそういうものを見つけ出すこと自体も少しずつある自分のwardrobeと相談しながら決まるわけで一人一人違う、オンリーワンなんだよね。言ってみればcheap chicはそういう自分の独創力で見つけて出して構築するその過程そのものを言っているんだと思うんだけど・・。」
「自分で見つけ出すその過程に学びがあってより精神性も高まり次につながる、それこそがcheap chicなんだと」
「何で逆に君がまとめちゃうんだよ」


以前の記事より抜粋
「何ども何ども扱ってきた話題ですがちょっと聞き方をストレートにします。」
「お洒落ってナンでしょうか? 否定形で今日は表現してください!!」
「否定形ですか?なんでまた」
「肯定形では十分今までも座談してきましたから・・・」
「お洒落は資本主義形態を表すものではない」
「当たり前」
「お洒落はwardrobeの数ではない」
「お洒落はbrand物を沢山所有することではない」
「お洒落は色と形、またOld とNewなどで区別されるものではない」
「お洒落はお洒落な人の模倣をするものではない」
「お洒落は安ければいいものでも高ければいいものでもない」

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「お洒落はスナップ写真を参考にするものではない」
「お洒落は同じ高級バッグを持つことではない」
「お洒落は読者モデルになることではない」
「お洒落は人からお洒落と言われることがお洒落とは限らない」
「お洒落はルールによって縛られるものでもない」
「お洒落は流行を追うものではない。」
「お洒落は新しいものを誰よりも先に持-つことではない。」
「じゃあ聞きます。今の男性・女性ファッション雑誌はお洒落でしょうか?」
「上の否定形の定義に総て合致しますね。ということは・・・」
「ということは・・・。 今のファッション雑誌は総てお洒落で無くなるかも・・・」
「お洒落では無いものを見ている消費者が存在してお洒落じゃない人を更につくる」
「いや違うね。もし世の中のfashion雑誌が総て消滅したら、本来今の人たちのfashionはそれなりにお洒落ということになる。なぜなら雑誌を参考にしている訳じゃなくなるからね。」

「といういことは最後の総括をよろしくお願いします。」

「お洒落は決して一言で定義することが出来ない」

「否定形で決まったことでよしとしましょう。」