秋空に雲が流れる
風とともに
雲が流れる

素早い動きの雲もあれば
じりじり動く雲もある
先まで鈍かったが
急に動き出す雲もある

ずっと上を見ていたので
首が疲れた

地面を見れば
大地に生える葦も風に
靡いて揺られている

こっちは一様に
靡いている
いや、ちがうぞ
真ん中の葦と端っこの葦は
やっぱり揺れ方が違うな

風が強く吹いた
ぼくもちょっと揺らされた
ぼくは或人によれば
「考える葦」だから
やっぱり揺れるわけだ

休まった首を空に向ければ
さっきまでの雲たちが皆形を変えている
葦たちが笑っている
雲たちも笑っているようだ
風に揺れたほうが楽だな
考えない方が楽だなと