昨日よるになって恒例の母グルヌイユ氏と姉クロコダイル、甥っ子ポッターがやってきました。

一昨日に十分ケーキは食べていたのですが
誕生日当日はまた別に誕生日ケーキを囲むので血糖値が気がかりになります。

クロコダイル氏は三陽商会が営んでこのたびたたむこととなる「 バーバーリー 」の古典的チェックのワンピースをアッピーにプレゼント。
古典的チェック柄はもう3年前から本店バーバリーが許可してくれなくて大人のブランドには販売されていない柄ですが、子供は最後の最後として販売されたようであります。

僕らはブランドより本質をもとめる高尚な性質なのでそのあたりはどうでもよいのですが
姉たちのすることですから、また幼い娘が喜んでいることですから
そこに小難しい話は介在する必要など毛頭ありません。


そんなリッチマンのクロコダイルレディーのおうちに昨日泥棒が侵入して大騒ぎというお話なのであります。

母グルヌイユは眼をこんなにおおきくひん剥きながらその様子を語るのでした。

全員が寝静まる深夜2時ごろに堂々と黒ずくめの男一人が侵入。

セコムの門燈の電気を切っての侵入でした。
ところが彼はそのまま家裏に隠れます。
様子をうかがっていたのでしょう。

セコムは裏にも装備しておりますのでそこにカメラが彼を捉えたのでした。
そのころ、甥っ子ポッターはセコムのアラームを確認、人影が確実に映っている画面を発見。
ポッターは画面にくぎ付けどころかそのとき見ていたマスターズトーナメント中継にくぎ付け?!

一方、義兄ベンツ氏は大変です。
「 おれがおまえたち全員を守らねばならない!」と一丁前のことを言い放ったあと
家にあるバットやゴルフクラブをベッドの寝室の隅に集めて自分もその隅の隅に陣取り
今そこにある危機に備えはじめました。
あまりにも多くのバッドを集めすぎてこれでは入ってきた泥棒にバッドを進呈するほどの量でした。

冷静な姉たちはまずは警察とセコムでしょ!とばかりに電話。
なんと双方が7分程度で到着。
あれほどあてにならないと思った警察は迅速にこの豪邸の周囲である裏山と表玄関に三台のパトカーで駆け付け周囲を取り囲んだのであります。

これであのコソ泥も一巻の終わりと思われましたが警察からの連絡は
「 どこにもおりません。 」という残念な報告でありました。


そこまで興奮して話し終わると

次も来るから
家の裏に粘着テープのゴキブリホイホイみたいなでかい版を作るとか
おおきな落とし穴を作るとか
ネズミ取りのでかい版をつくるとか
近づくと しょうがスプレーが眼にかかるように新たな防犯器を作成するとか
いや忍者がばらまくような釘のようなものを敷き詰めるとか
ぶっそうな話がでましたが

きっとそれを配備したこと自体忘れて母グルヌイユが引っ掛かるとか
二階で寝たほうがいいという義兄の話に同調しない母にはベンツ氏から

「 なにかのときには犠牲になってもらうよ。時間かせぎをたのむ。 」
「 命を失っても相手の視界だけを奪っておいておくれ 」と目つぶしの方法を伝授する始末

とっても男気の無い話に進んだり、しまいには
「 グルヌイユの何かの時にもう少し保険を増額しておいたほうがいいか」と

後生なのに80歳の母に対して言いたい放題の提案まで出されました。

人がたくさん家にいるのに、どうどうと来るどろぼうほど怖いものはありませんが、

家の中にはこんなにもっと物騒なことを考えるひとたちがいることを
どろぼうにも知ってほしいものです。