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北川民治さんのギャルリーを覗いて

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京都国立博物館とは趣はかなり違いますが
愛知県陶磁美術館は 意外や意外にも(失礼)
美術館は立派なものです。


代表的な作品を三期に分けるのなら
中国の壺・釉薬に倣った初期

民芸運動の自分を見出した中期

民芸運動の囲いから出てさらに本当の自分を見出した後期
と感じました。

さらに中期から後期は 書や木彫りも多くみられ
自由の作風が垣間見れ 個人としては一番好きです。

特に陶硯には これぞ河井寛次郎のこだわりという箇所が
随所に光り
高島屋支配人 川勝にして
「また 陶硯をつくっているのか 」と
半ば呆れられるほどの執着は
陶硯の前期の四角型から
後期は丸形と柔軟は発想がちりばめられた作品群となっています


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扁壺は まさに河井寛次郎を知って 知りえた言葉ですが

一般的には この扁壺が河井寛次郎そのものと評価されています

二人 ゆりさんと あのんさんは
この白地の色絵の扁壺が好みで
僕は呉須や鉄釉のものが好みで分かれるところです


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この展覧には 当然ながら
浜田庄司や宮本憲吉さん・バーナードリーチさん柳宗悦の作品も展示してあり
なんとなくこの5人はひとまとめに論じられますが

実は バーナードの作品に学生のころに出会って
「さきにやりたいことをやられた」
その感覚を嫉妬のように感じた河井

浜田庄司とは学校時代の先輩と後輩の関係で
二学年下の浜田が切磋琢磨して釉薬の研究をしていたこと
さらに柳に奥田で酷評されて以後
会わず嫌い同士であった二人を木彫り仏で
何とか取り持ったのも後輩の浜田

色々あったのちに一気に雪解けして同志の契りを結んだ河井と柳

今回知ったのですが
河井と柳は何度も何度も満州や大連に出かけているのですが
もちろん中国の素晴らしい作品を勉強しに、
または作品を求めに
もう一つが 小森忍に会いに行っていることを知りました

一般的には知られていない小森忍ですが釉薬の天才として知られた人物で
実は 河井や浜田に学生時代 釉薬について手ほどきした先輩でもあったらしいのです

その小森が満州鉄道の研究所に招聘されて満州に在住していたため
小森を訪ねて出かけたということなのです。

芸術に没頭して半生・人生として身を置くことは
今も昔も難しいと思いますが
この方々たちはまさに 一生をささげた その生きざまも作品も評価されて
今も回顧展が続いているということ

河井寛次郎作品
 今もその衝撃が余韻として
何度も何度も
駆け巡っています