
ボクはある翁の膝に乗っている。
ゆらゆら大きなひざにのっかりしがみついたりまたがったり
ボクは6歳。
それほど大きくなかったボクはかなり小さな身体の重さのすべてを
ひとりの翁に乗せていた。
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ある一枚の絵を改めてみつめる。
ユリさんが、これってと 引き出しから見つけてきたのである。
この絵画?!
あれは13年前。
90歳を超えて
病床で
「 ペンを 」と
筆をとり
この絵を仕上げた。
そして数分まもなく息を引き取った。
生涯を芸術家であり続けた
先生、まさにあっぱれな絶筆でした。
家族から 「 ご縁 」として
ボクは この絵を受け取った。
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膝に揺られている
ボクのつぶらな眼は いろいろな飾られている陶たちに向く。
「 おじさん! これいいね! 」
「 いいか どれがいいだ、これか 、それか 」
瀬戸陶芸界、日本陶芸界にひとりの陶工として成し遂げた作品は
いまなお失せない。
幼少のころに出会い
最後の病床でまた出会い
いまも家のいたるところに先生の作品があるが
幼少のころに 翁がそっとぼくのポケットに入れてくれた作品は年々いとおしい。
目をつぶってしばらくすると
まだ 膝に揺られている そんな気がするのです
やさしくしてくれて ありがとうネ おいちゃん
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