「 こどものころに、わたしの勉強机には、黒いアングルボイズが置いてあって、その光の下で何時間も宿題や復習をしたものだわ。 あれをどこにやってしまったのか、今になってとても残念だわ 」

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アングルボイズはデスクライトの元祖とも言われる照明器具。
考案者のジョージ・カワーダインは1887年に生まれ、自動車会社のチーフデザイナーとして活躍したのちに、1924年に独立、デザイン会社を興します。
得意の車のサスペンション!!技術を利用してスプリングと重量のバランスで、思い通りの位置にシェードを留められる画期的なライトをデザイン。
特許を取得して上質なスプリングメーカーと組んで1934年に本格的に生産を開始しました。


「アングルボイズは電球を装着しないとシェードのバランスが取れないほど精巧な均衡を保っているの。きれいに見せるためにデザインされたのではなく、技術から導き出された形だということに私はモダンデザインのすばらしさを感じるのよ」

現在、マーガレットハウエルがセカンドハウスで使用しているデスクライト。
それはフリーマーケットで偶然見つけて愛用中の
1970年にデザインされた「APEX90」という白のビンテージ・アングルボイズ!
この時期にベースは丸くなり、シェードは細長いデザインに。

「 アングルボイズはいつの時代もカワーダインの考えを踏襲している。シンプルで機能的でありながら流線的でモダンなルックスを保っているでしょう。そのブランド哲学も、私は尊敬しているの」


彼女がちょうどこのビンテージを見つけたであろうちょうど同じ!その頃、
ぼくもとあるビンテージショップで英国から届いたばかりのコンテナの中に
白いデスクライトを見つけていた。

店主に
「 ちょっと重いしね、でかいしね、電球も日本では手に入らない英国式の電球だし・・・多分売れないってわかっているけどまあどうせコンテナで送るしね、安く売るからどう?」

店主は勝手に思うままにしゃべっている。
ぼくは 最初から 一目見た途端 これは買うもんだと決めつけていたのに
いつのまにか勝手にどんどんディスカウントされて1万円でおつりをいくらかもらって 
車に詰め込んでいた。

スプリングはこれ以上無いほどしっかりしていて
カワーダイン氏のカーエンジニアとしての美学が
映しだされている。

今のモデルとどう違うのと問いかけに
「今のモデルもカワーダインのdesignをしっかり踏襲している、ただ時代のニードの中でどうしても軽量化が求められスプリングも全部ディテールが変化した、それでもカワーダインの美学は損なわれず残しているのって如何にも英国らしい ただ自分には家に置くならやっぱりカワーダインのビンテージ1970年前後までの監修モデルが一番しっくりくる」って答えた

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たしかに重量はとってもヘビーだし、何よりでかい! 電球は 他にもアンティークライトを使っていたので英国式電球は普遍的なものであり困らない。
スイッチなんかもとっても英国ビンテージで便利って今ではお世辞にも言えないけど
ぬくもりめちゃあるんだ!


最近 マーガレットハウエルが50周年であることもあり改めて彼女のライフスタイルページを眼にして
思わず苦笑する。

共通の符号!!!
TYPE90というとってもレアなデスクライト愛用者
アーコール
そして
ジョセフ(ヨゼフ)アルバースというバウハウスデザインのリスペクト等々
好きなオレンジの種類
挙げればきりがないほど符号があった。

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アルバースのポスター。アーコールのテーブル。

うちのアルバースリトグラフたち。何枚かありますが。
このふたつ少し色合いちょっと違うんですけどね
これを飾るために色を塗り替えたぐらい好きなアートです。

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白のアングルボイズTYPE90!1970年モデル。
マーガレットハウエル50周年祝です。

彼女のプライベートフィルム無料配信していますので是非ご覧ください。
50周年フィルム

彼女の眼の向こうにある風ブリーズを、鳥のさえずりを、綿の肌心地を
やさしくやさしく感じました。
ぜひ、 ステイホームでたくさん映画観ていることでしょう!そのあいまの清涼剤にぜひとも鑑賞ください。(笑)