ソウルにいた。職場の慰安旅行に行くということが珍しい。
思ったより都会、思った以上に雑然。そんな街だった。
想像以上の高級ホテルに滞在というよりは一瞬寝に帰った程度。
1泊の弾丸旅行はこれも想定以上の過酷さだ。
ツアーガイドのソウル女子はすでに僕を問題児扱い決定のレッテルを視線で貼る。
さきからの注意事項はすべてぼくに向けて言っている、そんな固定視線だ。
二時間!
自由時間ぐらい好きにさせろよ フライトにさえ間に合えばいいんだろうってね
先輩の一緒にでかけようという誘いを適当にあしらって
意の向くままに 空を見ながら すすんだ。
丁度いいショッピング、ユリさんにグッチの靴、バッグやらいろいろ買いこんだ。
自分にもと思ってデパートを見渡すと
かっこうがいいモダンなバッグがあり僕の好きなマンダリナダックのカバンだった。
時計をみるとあとホテルの集合時間に15分程度あったので余裕で買えると判断。
店員を捕まえてレジへ。 ここからが手間取った。
▼
気づけば集合時間まで3分。
デパートの外に出てタクシーを拾い、「 スイスホテルへ全速全開で!」
タクシーは忠実だった。
5車線、5車線ある大通りをなんと100メートルばかり逆走したかと思いきや急展開で曲がり
体感120キロで公道をぶっぱなし 集合時間きっかりに着いた。
「パーフェクト!」言われるもなく倍の数字を渡した
走って着くと
ソウル女子ツアーガイドはやっぱりねと眼を細めて苦笑し最後の点呼の確認をした。
▼
さあて此処から空港までの時間はあまり記憶にない。
リュックベンソンタクシーが脳髄に焼き付いていた。
なぜにあのタクシーはあれほどぶっ飛んでいたんだろう?
空港について最後の自由時間30分程度をソウル女子ツアーガイドがのたまっている。
注意点のくだりはやっぱりぼくに向けてだった。
説明がおわり、さあ買い物でも行こうかと思いきやジーンズのポケットに財布がない。
やばいね、マンダリナダックかタクシーかバスか。
細眼のツアーガイドを捕まえて説明した。
「 これは いけません、あと25分しかありませんから。」
「 知ってる だから相談している。」
「 ちょっとまっていてください。」
デパート、ホテル、タクシー会社、ツアーバス会社 縦横無尽に連絡を取ってくれた。
そして10分後、ツアーバス会社からコールバックあり!!
「 あなたが座っていた座席にそのまま置いてあったよ! よかったね!」
「 で 財布は戻ってくるの? あと・・・15分しかないけど・・」
「 なんか なんとか 空港に引き返してくるって!!!! だめかもしれないよ 、 もう!」
7分待った。 空港にパトカー二台のサイレンがこだましている。
外に出ると ハリウッド映画さながら パトカーが二台先導してツアーバスがやってきた。
ソウル女子ツアーガイドはやっぱりねと眼を細めて苦笑し最後の点呼の確認をした。
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さあて此処から空港までの時間はあまり記憶にない。
リュックベンソンタクシーが脳髄に焼き付いていた。
なぜにあのタクシーはあれほどぶっ飛んでいたんだろう?
空港について最後の自由時間30分程度をソウル女子ツアーガイドがのたまっている。
注意点のくだりはやっぱりぼくに向けてだった。
説明がおわり、さあ買い物でも行こうかと思いきやジーンズのポケットに財布がない。
やばいね、マンダリナダックかタクシーかバスか。
細眼のツアーガイドを捕まえて説明した。
「 これは いけません、あと25分しかありませんから。」
「 知ってる だから相談している。」
「 ちょっとまっていてください。」
デパート、ホテル、タクシー会社、ツアーバス会社 縦横無尽に連絡を取ってくれた。
そして10分後、ツアーバス会社からコールバックあり!!
「 あなたが座っていた座席にそのまま置いてあったよ! よかったね!」
「 で 財布は戻ってくるの? あと・・・15分しかないけど・・」
「 なんか なんとか 空港に引き返してくるって!!!! だめかもしれないよ 、 もう!」
7分待った。 空港にパトカー二台のサイレンがこだましている。
外に出ると ハリウッド映画さながら パトカーが二台先導してツアーバスがやってきた。
空港にちょっとした人だかり。
誰が出てくるのか?!
警察がツアーバスを止めて扉が開かれると 中から運転手が 大事そうに 僕の財布を持ってきた。
警察がツアーバスを止めて扉が開かれると 中から運転手が 大事そうに 僕の財布を持ってきた。
出てきたのは
一個の財布だった。
警察官が笑っている。 「 財布を 先導したのは 初めてだよ!」
ツアーガイドが笑っている。「 こんな経験初めてだよ 大変ね あなたは!!」
あと6分。 珍しく焦っていた。あと6分でDUTY FREEの商品を引き換えに行かなくてはいけないことを忘れていたのだ。財布から引き換えのレシートを手にわしづかみして走った。
細い眼のツアーガイドは最後まで僕に手を振っていた。
さあカウンターに走ったら 先まで持っていたレシートは無くなっていた。
全身くまなく探したが ない。
あと3分。
自分が走った導線を引き返す。 すると放送がなる。 ぼくの名前だ。
別の呼ばれたカウンターに行くと チケットとDUTY FREEのレシートが届けられていた。
なんでこんなところにあるんだと笑って受け取り グッチやらエルメスを全力疾走して引き換えた。
もう先から ずっと もうひとつの放送で 名前が連呼されている。
います います 行きますからとつぶやいて走った。
空港の空は
警察官が笑っている。 「 財布を 先導したのは 初めてだよ!」
ツアーガイドが笑っている。「 こんな経験初めてだよ 大変ね あなたは!!」
あと6分。 珍しく焦っていた。あと6分でDUTY FREEの商品を引き換えに行かなくてはいけないことを忘れていたのだ。財布から引き換えのレシートを手にわしづかみして走った。
細い眼のツアーガイドは最後まで僕に手を振っていた。
さあカウンターに走ったら 先まで持っていたレシートは無くなっていた。
全身くまなく探したが ない。
あと3分。
自分が走った導線を引き返す。 すると放送がなる。 ぼくの名前だ。
別の呼ばれたカウンターに行くと チケットとDUTY FREEのレシートが届けられていた。
なんでこんなところにあるんだと笑って受け取り グッチやらエルメスを全力疾走して引き換えた。
もう先から ずっと もうひとつの放送で 名前が連呼されている。
います います 行きますからとつぶやいて走った。
空港の空は
窓越しに ばかばかしいほど 青かった。
航空会社の方が扉で3人立っていて 僕を待っていた。
ワンミニッツで締めるところでしたよって ハイハイ、そりゃそうでしょ
ぼくだって 信じられないほど今日はね、タクシーが宙に舞ったり、警察がサイレン回して財布が届いたり
チケットは先 落として 今受け取ったしと どうせ信じてくれないから まあいいか
座ろう 座ろう
みなが職場のみなが 来た来た そうまんが来たと歓呼している。
来ましたよ 着たら悪いか 悪態つくぞって どばっと体を指定された椅子に預けた。
みなが 何があったのと 聞いてくるが ただただ
何もない 何もないと伝えた
みながうわさしている 空港を全力疾走しているぼくをみたとか、彼が全力疾走する前には サイレンが連呼してぼくが捕まっていたとか・・・・。 否定するつもりもない、そんな元気もない。
そこからは あまり記憶が無い。
友人たちと乗り合わせてアパートについて意識を失っていた。
翌日、朝 職場にいくと
同僚が
「 なんか忘れていたでしょ!!!!」
「 忘れていたって 何もかもね!」
「 だから 荷物全部 タクシーのトランクに置いて行ったでしょ!!」
「 そうかもしれない、 ただあの日忘れていたもので言えば それは一部にすぎない」
「 つべこべ言うな!よ、 で いるのか要らないのか? 」
「 あるなら欲しい、なければそれでもいい」
「 感謝しろよ 」と 手荷物すべてを渡された。
スーツケースから購入したグッチ、エルメス、マンダリナダックすべてだった。
忘却の5時間 いまでも忘却できぬままに ・・
航空会社の方が扉で3人立っていて 僕を待っていた。
ワンミニッツで締めるところでしたよって ハイハイ、そりゃそうでしょ
ぼくだって 信じられないほど今日はね、タクシーが宙に舞ったり、警察がサイレン回して財布が届いたり
チケットは先 落として 今受け取ったしと どうせ信じてくれないから まあいいか
座ろう 座ろう
みなが職場のみなが 来た来た そうまんが来たと歓呼している。
来ましたよ 着たら悪いか 悪態つくぞって どばっと体を指定された椅子に預けた。
みなが 何があったのと 聞いてくるが ただただ
何もない 何もないと伝えた
みながうわさしている 空港を全力疾走しているぼくをみたとか、彼が全力疾走する前には サイレンが連呼してぼくが捕まっていたとか・・・・。 否定するつもりもない、そんな元気もない。
そこからは あまり記憶が無い。
友人たちと乗り合わせてアパートについて意識を失っていた。
翌日、朝 職場にいくと
同僚が
「 なんか忘れていたでしょ!!!!」
「 忘れていたって 何もかもね!」
「 だから 荷物全部 タクシーのトランクに置いて行ったでしょ!!」
「 そうかもしれない、 ただあの日忘れていたもので言えば それは一部にすぎない」
「 つべこべ言うな!よ、 で いるのか要らないのか? 」
「 あるなら欲しい、なければそれでもいい」
「 感謝しろよ 」と 手荷物すべてを渡された。
スーツケースから購入したグッチ、エルメス、マンダリナダックすべてだった。
忘却の5時間 いまでも忘却できぬままに ・・
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