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徳島にかって存在したからこそ
伝説や都市伝説として伝承されるのでしょう



徳島の鳴門リゾートホテルの付近に
日本最大級の喫茶店がありました。

私達がそこに訪れたのは
偶然 興味が湧いたから

雷のひどい
一寸先も見えない霧と雨
納車したての
メルセデス・ベンツ2ドア
側溝に落ちそうになりながら

通常なら5分で到着する距離を
ゆうに30分はかかったでしょう

日本最大級の喫茶店は
霧と切り裂く稲妻の中に
忽然と姿を現します

大きな木のドアを開けると
誰もいません

自分の
ごめんください!

この広さがわかるほどの反響

しばらくして
タキシードの初老の男性が
コツコツと現れます


20人は腰掛けられる大きな大きな
邸宅のテーブルに案内されます

ユリさんが
「私達が食べられそう!」
と大きな古めかしいメニューを見ながら
僕を見ます
ヘンデル グレーテル
ぶつぶつと横で
つぶやきます

結局 あえて無難なカレーライスを注文します。

「毒入りのカレーライス」

何ていうネーミング
これなら本当に死んだとしても
承諾済みと言う事でしょう

食後は
日本最大級の喫茶店の中を
案内して頂き

その後 
琥珀の石をかけた
クイズ大会!が
突如として行われます!

窓のガラスには
ざあざあぶりの豪雨と雷

クイズ挑戦はお客 二人のみ!

出題はタキシードの彼!

何というシュールな絵柄
筒井康隆の小説化間違いありません!

バルト三国を答えなさい!

ええと
リトアニア 


エストニア…




タキシードの彼が
口でチックタックチックタックチックタック


タイムアップ!!

欲しい!!ラトビアでしたー!

僕があえて質問します。

ラトビアが答えられたらその
3万円はするであろう琥珀の石を本当にプレゼントして貰えたのでしょうか?

禁断の質問…だったのかもしれません。

「 !………もちろん! 二言はありません! 

「生きて帰れるのか?」


ユリさんは僕の傍らでずっと思っていたそうです

ドアを出てメルセデスが閃光の中に
浮かび上がります
再び稲妻が
光りだし 慌てて
2ドアを空けて乗り込んで

振り返ったとき
日本最大級の喫茶店は
霧の中に見えませんでした

リゾートホテルに戻ってからも
ユリさんは 興奮していました

夢か幻か

二人とも同じ記憶
夢ではないらしい



旅行を終えてしばらくして
日本最大級の喫茶店は閉店したと
風の噂を聞きました

あれからでしょう

自分の中に琥珀が
特別な意味を持つ様になったのは…

アンバーカラーも好きになりました

琥珀のランプも
置くようになりました

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