日本のピカソと言って大変ピカソにも彼にも失礼だ
奔放に描き続けた画家だ
ピカソがピカソであるように
民次は民次に他ならない

メキシコに2歳の娘と妻と3人で借家住まいをして画業に取り組んだ
そんな貧しい街タスコ
友人画家 レオナール藤田がタスコに寄った際こんな言葉を残してる
「 彼は 我々には到底 表せないものを 子供たちと味わっておられた 」

民治はこう述懐する
「 ぼくの絵の捉え方は違う 美術なんて問題じゃないんだ。」
そして
「ただ、より人間らしく生きるために念じているだけだ」


そして 彼のアイデンティティーともされるメキシコの母と娘の母子像を完成する

日本に帰国してからは妻の生まれ故郷 瀬戸市にアトリエを構えた

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彼は この瀬戸市の街に タスコを重ねた
ニューヨークの夜学でアートを学んだ時代に
自分をけし粒のような小さな存在に変える大都会に癖癖とした
タスコの貧しさの中に 懸命に生きる姿に 命を感じ筆を動かす
瀬戸では 口は悪く荒っぽいが 
朝から晩まで汗まみれに 泥まみれに 仕事に精を出す陶工職人にタスコを重ねた



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今 彼のアトリエは アトリエを守る会が保存に努め
毎年 公開をしている 今年は来月初旬に予定される

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そのままアトリエから ある目的のため 市立図書館に向かった
彼は この地で 油彩やスケッチはすべて このためにあると開眼した
それは 大壁画
たとえ個展で 油彩のタッチを非難されようが批評されようが動じなかった

「 ちょっと離れてみれば なにも見えんだろうが 」
お構いなしだ
ついにはこう断言した
「 私の スケッチも油彩も 壁画のための下書きにすぎない 」と

ならば 彼の完成作品を再度見たくなった
10メートルが2面ある
概算で20メートル近くになるだろうか

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実は これこそ知られていないが 図書館内部にも
大壁画があり そちらのほうが より傑作の様そうであり驚くとともに
彼の造詣の深さにため息ばかり出た。

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この静物画の花の
表現は
いかにも民次キュビズムである。

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青空に映える壁画である。
彼は壁画を生んだ背景をこう述べた

「真の平和・平等が打ち立てられれば、デリケート・繊細な芸術がのさばりだしてもいい。現代はまだまだ荒狂った狂騒の時代。粗野で強靭な作品が世の中に必要と感じています」

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北川民次さんの足跡

昨年瀬戸市美術館でも足跡回顧展覧開催をしており

市民が所有する北川民治作品200点とともに開催された。
市民が所有する個人蔵の作品が特に面白かった。


瀬戸市信用金庫は、昨年北川民治作品を中心にアートギャラリーを5月31日に
オープンしている。訊けば90歳になる娘さんもオープンのリボンカットに来られ
懐かしい作品に感激されたと聞いた。

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没後30年のフィーバーなのでしょうか。..

家族で早速 出掛けてみるとしましょう!


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彼の人生は95年
ビザンチンやルネサンスも含めて美的だけでなく
生きる喜び 人間の正しい幸福をまっすぐ見つめ続けた95年
改めて いま北川民治の世界観を求める人が増えている