フランスパリのブランクーシのatelier正しくは再現されたatelierを何度訪ねてもその気配が薄らぐ様子は無かった
彼は言った
子供でなかったらもはや芸術は存在しない
いずれ新たな子供達は
我々のように
自然から抽象を導くことなく
抽象からの抽象を導くこととなる
自分の韻律には
ブランクーシの韻律の影響があることを
最近になって感じている
あのatelierで遺伝子と遺伝子の螺旋の裏から裏まで
白く塗りこまれたかのように
影響として受けているのだろう
かってイサムノグチ氏も
彼ブランクーシに数カ月弟子入りして多くの偉大なる作品の初期工程を手伝っていた
この経験無くして
イサムノグチ庭園美術館
の完成度の気高さは
違ったものになっていたに違いない
イサムノグチ彼の言葉を借りるなら
ブランクーシのatelierはすべてが白かった
atelierの作品 石膏 大理石 大理石の粉
彼の服 ヒゲまでが 思想までもが
白かったと語っている
僕が知るに
その後の抽象彫刻の偉大なる作家らの
ほとんどすべてに影響したと考えずにはいられない
それほど一度彼の作品や特に馬鹿げたほどのatelierの美しき白を見れば
知らず知らずしておのずから影響されざる事無しには居られないのである
フレッシュな彫刻的な陶芸として
例えば確か記憶の限り
ロンドン修学の坂本紬野子氏にも
白い遺伝子粉は振りかかっていると感じた
白い粉
ものは訪れ
そして
無言のうちに
去っていく
そして何かが
無言のうちに
とどまる
そのうちの
何かが
時から開放され
永続する
永続するを
許される
この白い粉は
小さき粒
粒子ほどの
小さきもの
アイデンティティ
大きなるもの
その宿り静かに
その意味を
知りえたものに
まとわりつく
静かに静かに
からまれる
ブランクーシの気配

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