フィンユールを知ったのは学生時代。

そうか英国家具ともイタリア家具ともテイストが違う
さらに北欧家具とも違う。

この男のデザインは優美だなと。

彼の家にお邪魔したときに 今度は家具ではなく絵画のある生活に刺激される。





彼の生活風景はミニマリストではない マキシマリストかもしれない
だけれども整然として優美な生活だ。

その優美さは、家具でというより 絵画にヒントがありそうだ。
彼の家に行ってヴィルヘルム・ルンストームを知ったしピエール・スーラージュを知った。

ピカソやゴッホやモネやドガが好きな方にはちょっとマニアックな画家の名前だが
彼らの評価は近年じわじわ上がっている。

フィンユールは彼らがとても若くて勢いのある頃に、購入して自らでこの家に飾っている。
それがいいんだ。

その絵画との関わり方がいいんだ。


もうこの家には、ピエール・スーラージュの絵が飾られて50年以上の刻が流れていることに。
上のYOUTUBE動画をピアノ音楽の流れるままに観てほしい

静かに豊潤な刻が流れるのを感じてほしい
5分57秒・・・・

そこに飾られている絵画こそが ピエール・スーラージュの絵画だ。

眼にくるいが無ければ おそらくこの作品は「Lithographie n° 5 1957」であろう
1957年の作品だ。

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ご存じかもしれないがフィン・ユール先生はお亡くなりになられて久しい

ではスーラージュ先生は、 いまもご健在だ 101歳になられようとしている
ということは、スーラージュ氏33歳の若き日の作品となる。
そして邸宅の主 フィン・ユール氏は当時確固たる世界的家具デザイナーで45歳ということになる

バリバリのフィン・ユール氏が、駆け出しのアーティストの作品を選ぶ
審美眼は、彼がほかに選び飾っている絵画を見れば一目瞭然たるものだ

空間に調和している絵画 
家族とも波長を照らしあう絵画である


自身がタイムトラベラーということもあり、長寿なアーティストが好きだ。
なぜなら過去にタイムトラベルしても未来にしても 其の方はおられるから興味深い。(笑)


というわけで 
我が家に ピエール・スーラージュ氏の作品は好まれて飾られている。
絵画で3作品以上を飾っているのは、スーラージュ氏とベン・シャーン氏・アルバース氏ぐらいか?
ロスコ・ピカソ・カディンスキー・ロートレックどれも2作品どまり。

もちろん 生存画家でと云ったらスーラージュ氏のみということになる。

彼のアトリエを案内しよう。



「 実際の道具は、 ここにはなく 光 ・・・ 」

という淡々語る老翁

ぼくが先週今誌で唱えた三角波をしっかり彼も語っている・・

「 芸術作品の現実は、三角関係だ・・・   」

「 物つまり作品   それを創案、創作したもの    そしてそれを鑑賞するもの 」

かれが、 それを鑑賞するものを作品の一部とする思想こそが 三角波のベクトルに垂線をなす


当家で所有するスーラージュ氏の作品の一部を紹介すれば、

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「Lithographie n° 34 1974」

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「Lithographie n° 17 1964」

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「Peinture 1955  1956 」


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「Lithographie n° 9 1959」


人は彼を黒の画家と呼ぶことが多いが
ぼくは最初一目観たときから
光の画家と感じた



今年 彼は 生存画家としては異例のルーヴル美術館で回顧展を開き
日本において旭日勲章を授けられた

もっと早くでもよかったのにね (笑)

通常
art is long
life is short

彼は
art is long
life is long

彼が 光を道具として使うと知って 思った通りと安堵した
万物は
宇宙から産まれた
宇宙は老子によれば玄だ
玄は黒
黒は生命を産んだ
生命は光だ

彼の作品は
光で誘われ
光を発している・・・