なんかこう 人間くさいものって
マニファクチャ―を否定するわけじゃないけどね
ハンドクラフツ讃頌ではないけど
やっぱり特異な輝きがあるわけですよ

柳宗悦はそんなものに王侯貴族向けのプロダクツではなく 普段の生活から産まれた民の民のための民による作品を民藝として発掘した

息子である柳宗理は、その民藝に一時は反旗して マスプロダクツのデザインを磨くことで民藝のように多くの作品を作る限界性を越えて、多くの世界に最高のデザインのあるプロダクツを届けた。
のちに宗理は、目指したデザインに結果一周して父が唱えた民藝論に帰着して大いに絶叫し父に感謝の涙を流した。

あれからもう50年たった。
今の世は、 豊かになりすぎたというか 玉石混合にデザインは飽和豊穣して世間はデザインに飽きた。デザインは過去の焼き直しになり果てて独創性を失った。


延いてはデザインをすることに飽きた無デザイン アノニマスデザインに走った。
無印良品などのデザインはその代表格にある。

ところがところが
やはりここへきて 真に この手でこの指で作ったもの 麗しき丁寧な暮らしを求めるひとが
徐々にであるが少数派の動きが出てきているのだ。

作家ものの それも かなりこだわった 素敵な丁寧な暮らしを演出する作品を求める傾向は礼賛されるべき日本らしい美徳感である。

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たとえば丁寧に創られたマットな黒銀釉薬にまとった花文様の盛り皿をみて
単純に美しいと思うし 時にエルメスのマグではなくこのマグで飲んだコーヒーはどんな味がするだろうと想像するだけで贅沢な時間だと感じるのだ。


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安藤雅信さんの作るプロダクツは信念があってそれをこれ微塵も見せないこびない潔さってのが
あるんだよね。 最近はほれ作家ものとして本当に百花繚乱に3歩あるけば作家に当たるっていうぐらい作家は多くなっている、 ただ 自分が僭越ながら 素直にみても1000人に一人っていっても失礼だから正直にいえば 数万人に1人ぐらいしか ため息をつくことはないのです

この安藤雅信さんのこれは ため息をつきました。



シェーカーボックスというものを知っていますか?
イギリスからアメリカに渡った宗教徒のシェーカーらが創り上げた生活の民藝というもの
日本にもまげわっぱという文化がありますし、フィンランドに行けばヴァッカというよく似たものもありますから 不思議ですね。世界で別の暮らしをしていても不思議と同じ方法論で民藝を創り上げていた好例であります。

日本でも井藤さんとか第一人者がいらっしゃいますが 石川県の奥野健一さんの艶消しのブラックで作られたハンドル付きのシェーカーボックスを手にしたとき ふーとため息をつきました

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この手で この指で作ったもの 麗しき丁寧な暮らし




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