
パリ聡明期のポスターの立役者といえばロートレックの名が上がるが
その前からポスター稼業で名を成していたのがシェレであった。
シェレは事実、大家としてフランス全土に名が通っておりレジョン・ドヌール勲章を授与
されていることからもお分かりだろう。
画家と云えば 油彩という時代に
ポスター稼業がそれと同じく芸術家として認められるには
シェレの偉業によることが大きい。
パリ一番勢いのある歓楽ムーランルージュの支配人から宣伝用のポスターをついにロートレックに依頼する。今までの依頼先シェレからの変更である。
ロートレックは一大決心でこの仕事に挑むわけである。
シェレのポスターを何気に観た人はロートレックのものと見まがうが
真のロートレック愛好家は確実にそれと区別する。
シェレのポスターは実に素晴らしい。
ロートレックのそれは格別に素晴らしい。
ただそれだけの違いだ。
下に挙げたシェレは、実に細やかにダンサーたちを捉えている。
ムーランルージュの文字も踊っておりなんて書いてあるかはさておかれる。
余白は少ない。
いい意味でごちゃごちゃしている。
これはヨーロッパ油彩画家の宿命だ。
対してロートレックのそれは
潔く余白がある。
そして比喩表現がある。
色に対比を用いて誌的表現がある。
シンプルで
で
立体的に
視覚的にせまってくるようだ。
シェレは人格的に素晴らしかった。
ロートレックの新たなポスターについてどう思うか?
彼はその問いかけに実にシンプルに答えている。
「 彼は すでに大家である 」
ロートレックはムーランルージュの新装開店の際に
自分のポスターの前ではなく
敬意を表して
シェレのポスターの前で支配人と記念撮影している。
実に鮮やかで敬虔なる 新旧交代 であったと感じる。
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