
トシ子さんの新たなるプロローグを固唾を呑んで待つ人はさぞ多いだろう
車の窓にへばりつく蜘蛛を眺めてふとそう思った
彼は、まだ居た
彼は 蜘蛛を仮に勝手ながらそう呼ばせてもらう
彼は おそらく家の庭から這い上がって
車の窓につかまった
程なく車は動き出し
事あろうことにとんでもなく遠くに旅に出た
彼にとっては途方もなく遠く。
ハーウェイアンドロイドで検索して
頭をあげると
うん?
そして彼は窓から視界から消えた
いつの間にか。
もしかしたら二度と彼女と会えなくなるのでは
そんな旅になったかもね
恋愛していたのかも知らないけどね
愛は尊い
愛すればこそ生きられる
彼は粛々と未知の世界で歩き
そして
再び糸をはるのだろう
あれ雄って糸張るんだっけ?
自由だな
それにしても
自由なヒッチハイクだなと
そんな旅 またしてみたいなぁ
カルフォルニアの大地で
翌日からサマータイムだって知らずに
ヨセミテ公園頂上行のバスに思いっきり
1時間!
乗り過ごした!
後ろを振り返ると
知らない者同士の乗り過ごし組5人
瞬間的に国際チーム結成(笑)
さあ どうやって頂上を目指そうか?
サマータイム何てどうして今日から何スッカ!
って意気投合して
こんなとこじゃタクシー100%無理でしょって
ハリウッド映画ヨロシク
日本人代表ボクから
「ヒッチハイクしようぜ」
となった。
5台目の車を無理やり止めて(笑)
拙い英語を屈指して
半ば強引に乗り込んだ。
白髪交じりの老夫婦の車の後ろに
何と5人! 20分!!
ぎゅっとギュウギュウ詰めの
ヒッチハイク。
あの広いアメリカで
最も狭いアメリカだったって!
ヨセミテ国立公園の降り立ったときの
感動はきっとあの酸欠状態からの解放も
幾分関係していた筈。
そうか
あれ以来 ヒッチハイクやってないわけだ
彼は、
蜘蛛は
そうヨセミテヨロシク降り立ったんだろう
それでいて彼は深海魚のように
また新たなる世界を自ら照らす
知らない大地を照らして
光の先を歩いてるんだろ
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。