地獄から帰ってきたところだから言っとくけど 素晴らしいかったわ

なんだろう 

この散文詩は 人の心にどう映ったのか
感服する人もいるだろう
えぐられるひともいるだろう

ルイーズブルジョワの半生は 虐げられ、認めなかった父への憎悪で前半期の作品は成立していると
本人も語っている

夫との出会いでそれが 改善していくのであるが 夫の病死後 
そして何よりも認めていなかった父が 
ブルジョワの住んでるところまで一度だけフランスからアメリカまで訪ねてきたこと
これが大きく ブルジョワを揺れ動かした

父と 多少でも寄り添うつもりで 長いドライブ旅行に二人は出かけた 一か月あまり。
その詳細は誰も知らない。

だが ルイーズブルジョワの極度の鬱は 同年 その旅行以後に発症している。

彼女の作家活動も長らく 封印されている 空白の期間。

自らを 「サバイバー」と表現するブルジョワ 結果的に98歳まで長命を 力強く生き抜いた

空白を閉ざして挑んだ 蜘蛛をこう表現する。

蜘蛛はけして怒らない 自分の巣を壊されても 平然と また別のところで巣をつくる

彼女が 永遠の母性の象徴として 無償の愛を分けてくれた母を投影しているのだろうか

改めて

地獄から帰ってきたところだから言っとくけど 素晴らしいかったわ

なんだろう 亡き夫の愛用したハンカチの散文詩刺繍・・・

うん

ちょっと やわらかいものに感じ始めたな





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