倉敷、 美観地区から800メートルほど離れると、歴史とアートのノンリアリズムから段々と現実の世界、くらしきが現れる

ついつい、よってしまう名店「ミカサ」が
こつ然と姿を現す


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正直、マドモアゼルアノンやマダムアフラックは苦手だろう

正直、ここより美味しい洋食は、日本には何百とあるかもしれない

もはや、どうだって良い

ここの、空気感を纏った、老夫婦のこの特別たるそのノスタルジックな味はもはや
世界のどこを隅から隅まで探してもない

そう、断言出来る 何かがこの店にはある

納得して岡山で降りて、倉敷に来た理由たる理由となっている

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「ミカサ」と聞けば関東の人なら
三笠宮?由緒ある宮家と何か?

いいえ、控えおろう、このお店、大衆の大衆による大衆のための洋食屋なのです。
きっとリンカーン大統領がこの店に来ることがあればそう力説したに違いありません。


素敵な高齢夫婦が、ひっそりと営むお店にはなかなか一家言を懐にしたためた客たちがわんさか来ます。

そして勝手に水を汲み、生ビールまで自分たちでつぎ出します〜。

女将さんマダームは

「悪いわね」と言いながら
「貴方ちょっとビールのつぎ方上手くなったよ」と煽ります。

メニューには、やや理解不可能なコンビネーションが羅列します。

ステーキとハンバーグまでは良いのですが
ステーキとポークチャップ!?!?

しかも値段は、昭和からタイムストップしています。

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ステーキソースの味は、言うまでもありません。もしここに平野紗季子が居たなら
「生まれたる前から食べていたソースヨネ、小さい時から美味しいもん食ってろくな大人なんかならない、そんな理屈はもろともマリアージュして呑み込んだ 」とでも言うのでしょうか。

この店で食えば、全部美味い。

コペンハーゲンnomaと真逆のベクトルだがそれは同じ。

nomaで食えば、その辺の雑草でも美味いと脳は言う。「 この美味さ、分かったら超ハイレベルの舌なんだよ〜」と尻尾の生えたグルマン悪魔が、囁くからだ。


おコメも、漬物も、付け合わせさえも
食った食った、今日も美味しかったとなる

タクトを振る、シェフが、
「明日から閉店することになりました」
今、言われても、悲しむことはあっても受け入れる儚さが、ロマンが、この店には漂っている。この儚さに、ヒトは群がる。
まさにその1人だ。

そして、私は、またこの倉敷に途中下車してしまうのだ。