#この手記はReminiscences de l'office du maitre d'hotel 『執事室の追憶』 仏1919年出版より翻訳されたものでノンフィクション事実に基づいた記載である

**(注)一部R18に抵触致します。


その夜、仕事を終えたクレアは、昼間の風の感触をまだ頬に残したまま、ランタンの火を手に厩へと向かった。昼と違い、夜の空気はひんやりとしており、虫の声と草のささやきが、どこか夢の中にいるような静けさをつくり出していた。

予想通り、先に厩に来ていたジョージが、そっと声をかけた。

「クレア、来てくれたんだね」

エメは、クレアを見ると安心したように目を細め、鼻を鳴らす。モリスも、ジョージの手のひらに頭を寄せた。

ふたりは並んで、馬たちに干し草をやり、水を替えた。エメが水を飲む音、モリスが蹄で地面をコトンと鳴らす音。それらはどれも、夜の静けさの中にやさしく響いた。

クレアがエメの首筋を撫でながら微笑む。

「この仔たちも……今日のこと、覚えているかしら。あの風や、花の匂いや……」

ジョージは微笑む。

「ぼくたちと同じだよ」

ふたりの視線が重なったとき、空気がそっと変わった。

ランタンの明かりに照らされて、クレアの横顔が淡く揺れている。ジョージの指先が、彼女の髪に触れる。

「……寒くない?」

「ええ。でも、少しだけ、このまま……ここにいたい」

彼の手が彼女の手を包みこむ。クレアの頬がほんのり紅くなりながらも、目を逸らさずにそっと頷く。

「ねえ、隣の……管理小屋。少しだけ、火を焚いていきましょうか」

「……ちょうど昨日、薪を新調したようだ」

ふたりは静かに厩を後にし、隣の石造りの小屋に入った。中には小さな暖炉があり、ジョージが手早く薪に火を灯すと、橙色の明かりが壁に広がる。まるでふたりを優しく包み込むようだった。

 厩舎の隣の管理小屋は天窓の星の光であまりにも明るく2人を誘った。干し草の香りが、ほんのりと空気に漂う。
窓から差し込む星の光が、小屋の片隅をやわらかく照らしていた。夜は深く静かで、遠くの馬たちの寝息さえ、心地よく耳に届く。

干し草の上、すべてが静まり返っていた。


クレアは、そっと背を丸めて座っていた。
肩から滑り落ちた布の下、彼女の肌はわずかに粟立ち、夜気と緊張にふるえていた。
だがその震えは、拒むものではない――何かを受け入れる前の、心の奥で灯る火のような揺れだった。

ジョージが、その細い肩に手を添える。
彼女がふと振り返る。月光を受けたその瞳には、不安と期待、そしてやわらかな決意が宿っていた。

ゆっくりと、彼の指先がドレスの留め具を外していく。
音もなく落ちていく布。
月光が、その白い肌にじわりと広がった。

そして、あらわになったクレアの姿――
2人は、月光の下で、見つめあって、クレアは時折はにかんで視線を落とした
片手におさまる整った小さな乳房が、白磁のように、滑らかに、月の下でかすかに揺れていた。
呼吸のたびに、乳尖が上下し、その柔らかなふくらみが陰影の中に浮かび上がる。

「……すきだ…」
ジョージの喉が鳴る。
だが彼は、焦らない。果てたい衝動を抑えながら、ただ静かに愛を伝えていた。

クレアは、自ら手を伸ばし、彼の指をそっと自分の胸に導いた。
「はずかしい…から」
その一瞬、月の光の中で、彼女の瞳がわずかに潤んだ。

指先が、ふくらみをなぞる。
小さな乳首が、月光と熱に反応して硬さが変わっていく。
クレアの喉から、ほとんど音にならない吐息が漏れた。

「いまは……もう……なにもかんがえられない…」
その言葉は、彼女自身の羞じらいを越えた祈りだった。

ジョージは彼女を抱き寄せ、唇をそっと胸に落とした。
柔らかな肌に触れるたび、彼女の身体はふるえ、しがみつく指先が干し草をぎゅっと掴む。

「きみが…ずっとすきだ…クレア…あいしてる」

その低く囁く声に、クレアは静かにうなずき、目を閉じた。
そして――ふたりはゆっくりと重なっていく。

ジョージ、クレアの心もひとつだった
身体の奥へ、熱が満ちてゆく。
彼女の乳房は彼の鍛え上げられた厚い胸板に押し当てられ、まるでふたりの間で震える灯火のように月光に照らされ緩やかに鼓動していた。

痛みとともに迎えた結びつき。
だが、それを包む温もりはやさしく、クレアの中で初めて芽生えた「女としての自分」が、静かに目覚めていく。

「……っ、あ……」
彼女の瞳は潤んでいた、
彼女の身体は未だ、春の夜の静寂の中で眠る湖面のように澄み切っていた。
揺らぎひとつなく、誰も踏み入れたことのない清らかな世界。
まさに、開かれることを待つ一冊の白紙の書物のように、無垢で純粋だった。

彼女の身体は、まだ誰の手も触れぬままの、朝露に濡れた白いバラのように繊細であった。
まるで一輪の白いバラの花が、初めて日の光を浴びるかのように、無垢で柔らかく、内側から淡い輝きを放っている。
そのひとつひとつのしなやかな曲線は、まだ誰にも知られぬ秘密の庭園の入り口のように、慎ましくも妖しく光を湛えていた。

ジョージはその日、何度も、慈しむように彼女を求め、そのたびにクレアは甘美な波に身をゆだねた。ジョージのその硬い分身が、クレアの柔らかな濡れたあの分身に繰り返し包まれていく…クレアの分身からは、湧き出る泉のごとく白き泡沫がジョージの分身を迎える…

繰り返されるたびに身体はやわらかくほどけ、心はまるで初夏の花が風に揺れるように繊細に震えた。うつくしかった…

二つの唇が舌が、何度もなんども触れ合い、絡み合い、求めて、息が混じり合うたび、
夜の静寂はふたりの熱に溶けてゆく。
彼の鼓動が胸を打ち、彼女の呼吸がそれに応える。

「あ……ジョージ…」「…クレア……」
なんどなく…呼びあう、
かすかに漏れるその声は、月の静謐さを破り、
甘く濡れた夜の花の香りとなって宙に溶けていった。

クレアの身体は、やがて果てるたびに、
まるで花びらがひらくように、柔らかく美しく開いていく。何度果てただろうか…
「 もうなにも…わからない…」
そう、いいながら、クレアが初めてジョージに跨り、何とも言えないつややかな目元で腰を滑らかに前後していく…彼女は、ジョージを受け入れだけでなく、本能として、求めていく…普段は文机で慎ましくも生真面目に仕事をするクレアからは想像しえない、次第に色情を隠さず奔放するクレアのその表情は恍惚にして実に美しく愛おしかった
ジョージの尖端が、滑らかにクレアの陰部のこれ以上無い奥へ奥へと突き上げるように刺さる、その結合の証としてほとばしる歓びの泡潮が、ジョージの陰棒を包み込む

折れそうなその華奢な無駄のない身体が幾度となくのけぞり、えびぞり、小刻みに痙攣し果てて、尚もまた求めるように自ら奥底にジョージの化身を深くふかく差し込むように感じているようだった…

ジョージも、肉付きの良いクレアの白桃のごとく小尻を両手で鷲掴みにして、クレアの身体の奥の奥に、自身の熱を感じとっていた

彼女の透き通る肌に流れる汗は、月の光を受けてきらめき、
愛の証として静かに輝きを放った。

何度も重ねられる愛のリズムは、
静かな情熱を育み、夜空に溶ける星のように美しく、永遠を誓う。

ふたりは言葉なく、ただ身体と心で語り合い、月の光の中、永遠の絆を結んでいた…