学歴詐称の再発防止には「制度」の目を

最近、立候補者の学歴詐称が話題になることが増えてきました。ときには選挙後に発覚し、「あれは在籍しただけで卒業はしていない」「実は入学すらしていなかった」といった説明がなされ、世間を騒がせます。

学歴が全てではない。確かにその通りです。しかし、有権者が候補者を知る手がかりの一つとして、経歴――とりわけ学歴は大きな要素になっています。にもかかわらず、そこで虚偽があるというのは、有権者を誤った判断に導く可能性がある重大な問題です。

ただ、こうした事態の多くは、候補者の「良心」に任されている現状があることも見逃せません。「嘘はいけない」「正直に書くべきだ」というのは当然としても、それを制度的に確認する手段がなければ、問題の再発を防ぐのは難しいでしょう。

そこで、たとえば最終学歴を公に記載する場合、卒業証明書の提出を義務付けるという仕組みはどうでしょうか。選挙管理委員会がその証明書を受け取り、必要に応じて大学などに確認を取ったうえで、選挙公報や公式資料に記載する――こうした流れが定着すれば、有権者も安心して情報を受け取ることができます。

実は、選挙管理委員会に現状も一抹の責任が無いと云うのも少し問題があるのかもしれません

これは、候補者を疑うための仕組みではありません。むしろ、「正しく、誠実に伝えたい」と思っている人たちを支える制度であり、「うっかりミス」や「昔の記憶違い」が公の混乱につながることを防ぐ、安全装置とも言えるものです。

選挙は民主主義の根幹です。候補者と有権者の間には、何より「信頼」が必要です。だからこそ、その信頼を制度として守る工夫が求められているのだと思います。

嘘のない、誠実な選挙を実現するために。私たち一人ひとりが、この問題を「誰かのこと」ではなく、「自分たちの政治のあり方」として考えていくことが大切であり、今さらもう居直り強盗いや居直り市長を見たくない有権者の声を選挙のシステムから改善する時代なのかもしれません。