20251103-OYT1I50104-1


26年の歳月をかけて、容疑者の出頭という形で報道

改めて今事件の謎を迫りたい

●最大の謎は「動機」 安福容疑者と被害者の接点はない。しかしながら、その被害者の夫とは高校時代から大学にかけて容疑者が一方的に恋を募らせた経緯がある。被害者の夫、悟さんによると、安福容疑者と最後に会ったのは、事件の約5か月前に開かれた部活動のOB・OG会で、言葉も交わしていたという。同窓会で顔を合わせたが、何も無かった。ただ、静かな安福容疑者の心中は違っていたかもしれない。猛烈にアタックした高校時代から大学の頃の自分を思い出したのは間違いなく、その5カ月の間に、容疑者が悟氏に昔に成就し得なかった恋心の再加熱と今の多忙な生活のギャップに、被害者へ一方的な不満と嫉妬を爆発させたと見る心理学的考察が指摘されている。容疑者は、恋心が再燃した悟氏の身辺を調べる中で、幸福の絶頂にいた被害者を知ることとなり、彼が留守で、被害者が在宅である時間を準備周到に、殺害目的で襲った。
こういった犯罪の類には、妄想被害を拡大させる誤想型ストーキング動機犯罪や恋愛関係に発展しなかったことを「屈辱」と感じ、優位性の誇示を目的とした相手の大切にしているものを一方的に奪う犯罪に類似しているのではと考察されている。

犯人が同級生の安福容疑者と分かったあと、悟さんは、実の妹さんから指摘されてあることを思い出した、大学の試合に押しかけて、その後に喫茶店に連れていき泣かれて大変だったと。妹に、指摘されるまでその事は覚えていなかった悟氏、この事実こそ事件の原因の一端があると犯罪心理学に詳しい専門家は指摘する。「事件の5カ月前にテニス部活同窓会で2人は久しぶりに顔を合わせた。安福容疑者にとっては青春の全てだったが、悟氏においては、彼女との思い出は1ミリも無かったと感じられた。悟氏においては喫茶店の案件すら覚えていなかったわけですから。 悟氏においての安福容疑者の存在はあまりも軽く小さなものだった… ここに事件の温床が感じられます」

●なぜ警察は、容疑者にたどりついたか
流しの犯罪ではないと睨んでいたにもかかわらず、被害者関連の怨恨として考えていた警察としては、悟氏へかつての思いを寄せていた容疑者はあまりにも遠過ぎる存在。
指揮官が代わり、悟氏の知り合いの仲間で再度調べ直した執念の捜査が最大の功績であり、部活の名簿を当たったら、唯一 容疑者だけが当初のDNAサンプルの協力を渋った、これがこの謎のシンプルな答えであろう。
協力を拒否した参考人は容疑者だけだったのである。警察も一気に色めき立つ様子が浮かぶ。
●犯人の夫や息子家族は、事件当日からこれまで何にも気づかなかったのか?

事件当日から大々的に報道され、中年女性で手に怪我を負った事も報道されている。
容疑者の夫や息子は知らなかったのか?
容疑者が、話さなかったとしても何か感づいていたのではと。
怪我を負った日も同じで、事件場所からそれほど住居も離れていない。家族は自分の妻と同じ高校の同級生である悟氏の妻が被害者である事は当時の新聞からでも容易に知ることができるはずだ。全く疑わないと言う事が難しい状況である。ましてや、あまりにも偶然の同じ日の手負い傷。 結果的には知っていた上で暗黙に確認せず隠し続けた可能性もある。コレは息子とて同じかもしれない。

謎は深まるばかりだ。